今回の青森ツアーの目的でもある恐山。
まかど観光ホテルからツアー専用バスで向かいます。
日本三大霊場「恐山」
和歌山県の高野山、京都市と滋賀県大津市比叡山とあわせ、日本三大霊山に数えられる青森県むつ市に位置する霊場です。
硫黄臭が立ち込め、あちらこちらに積み石とカラカラと回る風車。
死後の世界や死者に寄り添う、癒しの場でもある恐山。「恐山」という山は存在せず、宇曽利(うそり)湖を中心とする釜臥山、大尽山などの八峰を総称して「恐山」と呼んでいます。
参拝期間は毎年5月1日〜10月31日まで。恐山へ向かう県道4号が積雪で閉鎖されるので、この間は車の通行ができなくなります。
ツアーバスで恐山に向かう
お一人様限定ツアーですので、2席を1人で使うことができます。
席は指定席です。
まかど観光ホテルからは1時間40分程度。
添乗員さん曰く、交通渋滞がないので、だいたい時間通りに到着しますとのこと。
バスの中ではガイドさんが恐山の簡単な歴史やむつ市のことなどを説明してくれました。
むつ市内の途中から参道にはいり、山道を登っていきます。
結構、揺られるので、バス酔いしないか心配になるくらいのクネクネ道。
バスなので立ち寄れませんでしたが湧き水があるそうです。山道の途中には”不老水”という湧き水があります。これを飲むと「一杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返る」といわれています。
山道を登り切った先にある三途の川
バスから見ることができる、恐山へ向かう道にある太鼓橋。この橋の下に流れるのが三途の川。
悪人には、この橋が針の山に見えて渡れないと言われています。
この先に駐車場なので、バスの中から撮影しました。
前日とは違っていい天気です。上着なしで、シャツ一枚で行動しました。最初は恐山の案内人の方とまわり、その後に特別参拝・祈祷。少し自由時間があり、バスに集合です。
バスが到着したら、まずはお手洗いへ。駐車場にあります。年配の方が多いのですが、洋式トイレが少ないため、やや時間がかかっていました。
バスを降りるとなんだか独特のにおいがしますが、これは硫黄臭です。岩場から硫黄泉が噴出しているため、この一帯が硫黄臭がします。入山料は500円。ツアー代に含まれているので、支払う必要はありません。
総門の右手には、売店とお食事処「蓮華庵」があります。
境内のあちこちで備えられている風車やわらぞうりは入り口で購入可能です。
恐山菩提寺の総門手前にある六大地蔵
死後に向かうと言われる六道の世界とは多くの善行を積んだ者がいく天道、己の本能や欲望のままに生きた者がいく鬼畜道、強い競争心や自尊心をもつ者がいく修羅道、自殺や殺人など悪行を積んだ者がいく地獄道、欲深く富や権力に執着した者がいく餓鬼道、そして人の道からなる6つの道を指します。
恐山菩提寺を参拝
まずは恐山の案内人の方と境内をめぐります。
総門をくぐり、はじめに本堂で恐山のおおまかな説明を受けます。
本堂には釈迦如来像が安置されています。
恐山は862年、慈覚大師 円仁により開山されました。天台宗に属していましたが、500年程前に再興された際、曹洞宗に改められ、現在に至ります。
円仁は夢のお告げに導かれ、旅の果てに辿り着いたと言われています。
この中に収められているものは、もう作る人がいないとのこと
鮮やかな青色の恐山の山門をくぐり、地獄めぐりが始まります。
恐山の地獄めぐり 石積みや風車の意味
恐山の本尊安置地蔵殿の右側から地獄めぐりが始まります。
納骨塔。
恐山のあちらこちらに石が積んであります。
これは、幼くして死んだ子は親不孝者。その罪の報いで、賽の河原で石を積んで塔を造ろうとするたびに地獄の鬼に崩されてしまいます。親が亡き子に代わって石を積んで子の追善供養をし、地蔵菩薩に供養するのです。
風車はそんな亡き子が地獄でも遊べるようにと送っているのです。
私たちも石を積みましたが、「石が崩れると地獄に行くので、気を付けて」とのこと。
大師堂。
草履や手ぬぐいは、死者があの世への旅立ちの時の準備に必要だから名前を書いて備えられています。
他にも、あの世から戻って来る時に履物や汗を拭うものがないと困るという話やあの世は暗闇なので、白い手ぬぐいを目印に進んでいくという話もあります。
途中で温泉がふきだしているところもあります。
引火する恐れがあるため、タバコなどの火気厳禁。供養のために線香やろうそくについても、所定の場所のみです。
賽の河原地蔵堂
この中には杖や上着などがお供えされています。ここにお供えすると、死者に届くと言われていて、歩くのに困らないよう・寒くないようにと故人を思って、お供えされています。
水子供養
ここにもたくさん風車が飾られています。
楽浄土を彷彿とさせる極楽浜
硫黄泉や火山ガスが溶け込んでいるため、強い酸性の湖。動植物がほとんど生息しておらず、非常に澄んだ透明度です。
極楽浜という名前にぴったりな綺麗な湖です。
近くまでいけませんでしたが、東日本大震災の震災慰霊塔もあります。
胎内巡りに向かう
胎内くぐりとは、霊地を胎内とみて、その中を巡歴して修行し、そこを 廻ることにより人間の罪障が祓われるというものです。
金掘地獄
重罪地獄
修羅王地獄
ここからはガスが噴出していたそうですが、東北大震災以降、ガスが出なくなってしまったそうです。
地獄巡りが終わった後は地蔵殿堂内特別祈祷をしていただきました。
祈祷前に少し時間があるということで、説法もありました。
祈祷が終わると自由時間。
入山料を払えば誰でも入れる恐山の温泉
今回は時間の都合で入りませんでしたが、温泉が4か所もあります。
恐山の参道脇にある木造小屋が、その温泉です。恐山には5つの温泉があり、昔から「薬湯五湯」と呼ばれていたんだそう。
パパっとなら入れたかなと思いますが、タオルとか持ってきていないですからね。
添乗員さんも「今回は時間がないから無理ですが、時間があるときは入る人もいますよ」と何気なく入れないことを強調しております。
恐山でのイタコの口寄せは7月と10月
恐山でイタコの口寄せをしてもらうなら、、毎年7月20〜24日に行われる恐山大祭と、毎年10月上旬の3連休のみ。
現役のイタコは松田さんのみであとはOBのイタコのみ。
大行列だそうなので、当日イタコの列に並んでもできない恐れもあるので、か恐山の宿坊に泊まって並ぶのがいいのかなと思われます。
イタコの口寄せをしたい!ということであれば、恐山の大祭でなくても、今回のツアーのようにまかど観光ホテルでイタコ口寄せでも可能です。
恐山の感想
日本三大霊場の和歌山県の高野山、京都市と滋賀県大津市比叡山には訪れたことがあり、最後の一つということで、青森県下北半島の恐山に行ってきました。
恐山は古くから死者の魂が集まる場所として信じられ、またそれらを供養するために参拝する人が絶えないというのです。
実際恐山を訪れてみると、積みあがった石のモノクロな風景に彩られた風車。静寂な雰囲気の中で恐れるものというよりも、故人を思う場所だと感じました。
高野山・比叡山は友人と訪れましたが、今回はツアーでの参加。参加してる方の中には熱心に頭を下げている人、手を合わせている人、賽の河原地蔵堂でお供えをする人、旅行のときに見せない表情の奥にはそれぞれ想いがあったのでしょう。
恐山といえば、あちこちからガスがでているイメージでしたが、もうガスが出ていないのが残念。やはり、行きたいと思ったときに行かないとダメですね。
ずっと気になっていた恐山。自分で見ることができて大満足です。